言葉とは、なんて無力で……なんて無価値なのだろうか。
私は自分の愚かしさを実感して、その日……部屋の扉を眺めながら、ベットの上でただ考えていた。
一人の少女は、私の価値観を完膚なきまでに破壊してくれた。
仮面を、剥ぎ取られた。
そこまでは心地良ささえ、感じていたのに……それでも、彼女がなぜ人を信用できないのか、理解するまで至らなかった。いや……今でも理解できているのか、わからない。
寝返りを打つ。
今まで私は言葉の力を信じていたんだと思う。
言葉は人を動かし、言葉は人の心に潤いを与え、人を変えると……
なのに……現実な常に破壊されるようで……知っていたはずなのに、例外は常に存在すると。
断言するのは、アカネさんの悪い癖ですよ……
彼女は、思い上がっていた私に、優しくそう言ってくれた。悔しかった……悲しかった。寂しかった。怖かった。
想像した。自分の中に存在する最大の恐怖を頭に浮かべて、さらにその上、もっと高み。もっともっと最悪の恐怖を……私にはそれしかできなかった。そんな幼稚なことしか、彼女の心を理解しようとする努力が思いつかなかった。
そうした瞬間。私は……なんて小さい存在なのだろうと、実感してしまう。
人を信じられるわけがない。人の言葉を受け入れられるはずがない。
人を求めることなんて、怖くてできないと思う。
でも、一人でいるのも、怖すぎる。
仮面という予防線を張る。そんなこと、できる時点で、私はまだまだ本当の恐怖を知らなかったのかもしれない。
きっと、彼女の心はそこまで行かないと理解もできないと思う。
救うなんて、できないよ……できるはずが無かったのかもしれない。
大切な人のところから、去っていった……彼を思い出す。
彼は心底自分に自信を持てなかった。そう聞いている。
やっと欠片だけ彼の心が理解できた気がする。友人は彼に思う限りの優しい言葉と暖かい気持ちと、行動を示したと……思う。
それでも彼はそれを受け入れられず。ただただ己を傷つける言葉しか言わなくて……
暗い?根暗?拒絶?違うよ……たぶん違う。
きっと彼は信じたくても、信じられなかったんじゃないかな。
友人も知らない恐怖と出会い、対面して、怖くて……ただ怖くて……何かをしたくても踏み出せなくて。
この予測は、きっと……間違っていると思う。けど……欠片でも正解に近い物があるのだとしたら。
この世には、言葉と心では、救えない人がいるとしたら……私は、今までなんて……愚かだったのか。
泣きたい。泣きたい。悔しい。悲しい。寂しい。……想像するだけで、こんなにも……心が痛くなるなんて。
本当に体験しただろう彼女と、体験したかもしれない彼。……それを必死に救おうと、した。あの子。
その全てが、全部一生懸命であって、すれ違いもあるかも知れないくて、誰も悪くないのに、悲しい現実が広がってゆくようで、この世界は、なんて無情なのだろうか。
「どうして……どうして!?」
心が痛くて、かわりに、体が言葉を弾き出す。
ごめんなさい。本当にごめんなさい。知っているつもりになって、知らない内に誰かを見下していたのかもしれない。誰かを傷つけていたのかも、しれない。
弱さを、知らない内に刃に変えて、誰かを突き刺していたのかも……しれない。
気が付かされた、私がどれだけ小さい人間だったのか!!
「強くなるなんて、なっていたと思っていただけかもしれない。救われて、救われたと思っていただけなのかも知れない。でも……怖いけど、信じたい。でも、信じられないよ」
気がついたら、体は自然に震えていた。誰かのぬくもりを求めていた。
でも、それを求めるのも……怖くてたまらない。
心が、これほどの悲鳴を上げることができるなんて、私は今まで知らなかった。知ろうともしなかった。
苦しい……寂しい。怖い……でも、人を求めることができない。
この世の中は、なんて、寂しいんだろうね。
涙が流れては、また…流れた。
→この先は、あの人には、できれば読まれたくない。いや……あまり人に読んで欲しいものじゃありません。でも……気持ちの整理のために、文章として残すことにします。
(俺たちは、なんて……馬鹿野朗なんだろう。傷をつけて、傷を負って……それからじゃないと学べない!)
背後の声が聞こえた。
私と背後は、同じで違う。でも……今は、悲しい気持ちを共有していた。
「馬鹿だって自覚していたのにね?」
(そうだな、だが、ここまでなんて、畜生がぁ!!)
「背後……」
(なんだ?)
「足掻こうよ……怖くても、人を信じられなくても」
(…………言われなくても、そのつもりだ)
「うん……」
(だって俺とアカネは……)
(「死ぬまで馬鹿なんだから……それでも、馬鹿は馬鹿として生きるしかないんだ!!」)
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自分の醜さを隠すために
貴方と奈留は・・・、優しすぎる。
何故、自分を責めるのよ。
あいつは、自分に負けただけじゃない。
しかも、あんなやり方で、貴方と奈留を傷つけて
そんなやつの為にどうして、貴方達が傷つかないといけないのよ。
これ以上、苦しまないでね。
笑ってね。
今度は絶対守ってあげる。
・・・約束、守ってあげられなくてごめんね。
絶対、わたしは守るから。
マルメロのおかげだよ?
奈留のことは今も心配でたまらないけれど、無理やり笑顔にするから大丈夫(苦笑)
シリアスだったら、話を聞くだけだよ。その単純な行為に私は何度も救われたからね(ニコリ)
彼のことはショックを受けたけれど、今私は幸せを感じている。
だって、こんなに私を心配してくれる人が大勢いるんだもん(涙)
いつまでも落ち込んでいたら、その恩人たちに失礼だと私は思います(ニコリ)
マルメロ、私はアナタの強さと優しさを再認識しました。
本当に、ありがとう(お辞儀)
思考が上手く纏まらなくてね…(苦笑
人は…自ら変えようと思うことで…
初めて自らその一歩を踏み出すことが出来る。
私たちは…完璧に支えることをしたとは…
流石に言えないけど…でも…
自分に恥をかかないほど…
努力を尽くしたのじゃないかなっと思う…
その気持ちを受け取るかどうかは…当の本人次第ですけどね…
残念ながら…(苦笑
悲しまないでとは…言わない…
だけど…無理だけは…しないで欲しい…
アカネが辛いと思うのなら…
私も…辛いから…ね