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このブログは、シルバーレインに置いて行動中の「呪炎・アカネ」「明正・捩木」の行動記録を、小説……または一人言を掲載する為の場所であります。サブである「ベルス・ペルシアル」「速水御影」もちょくちょく出てきます。その四人と馬鹿背後の提供でお送りします。
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壊れた価値観


言葉とは、なんて無力で……なんて無価値なのだろうか。
私は自分の愚かしさを実感して、その日……部屋の扉を眺めながら、ベットの上でただ考えていた。

一人の少女は、私の価値観を完膚なきまでに破壊してくれた。

仮面を、剥ぎ取られた。
そこまでは心地良ささえ、感じていたのに……それでも、彼女がなぜ人を信用できないのか、理解するまで至らなかった。いや……今でも理解できているのか、わからない。

寝返りを打つ。

今まで私は言葉の力を信じていたんだと思う。
言葉は人を動かし、言葉は人の心に潤いを与え、人を変えると……
なのに……現実な常に破壊されるようで……知っていたはずなのに、例外は常に存在すると。

断言するのは、アカネさんの悪い癖ですよ……

彼女は、思い上がっていた私に、優しくそう言ってくれた。悔しかった……悲しかった。寂しかった。怖かった。

想像した。自分の中に存在する最大の恐怖を頭に浮かべて、さらにその上、もっと高み。もっともっと最悪の恐怖を……私にはそれしかできなかった。そんな幼稚なことしか、彼女の心を理解しようとする努力が思いつかなかった。

そうした瞬間。私は……なんて小さい存在なのだろうと、実感してしまう。

人を信じられるわけがない。人の言葉を受け入れられるはずがない。
人を求めることなんて、怖くてできないと思う。
でも、一人でいるのも、怖すぎる。

仮面という予防線を張る。そんなこと、できる時点で、私はまだまだ本当の恐怖を知らなかったのかもしれない。

きっと、彼女の心はそこまで行かないと理解もできないと思う。
救うなんて、できないよ……できるはずが無かったのかもしれない。

大切な人のところから、去っていった……彼を思い出す。

彼は心底自分に自信を持てなかった。そう聞いている。
やっと欠片だけ彼の心が理解できた気がする。友人は彼に思う限りの優しい言葉と暖かい気持ちと、行動を示したと……思う。
それでも彼はそれを受け入れられず。ただただ己を傷つける言葉しか言わなくて……

暗い?根暗?拒絶?違うよ……たぶん違う。

きっと彼は信じたくても、信じられなかったんじゃないかな。
友人も知らない恐怖と出会い、対面して、怖くて……ただ怖くて……何かをしたくても踏み出せなくて。

この予測は、きっと……間違っていると思う。けど……欠片でも正解に近い物があるのだとしたら。

この世には、言葉と心では、救えない人がいるとしたら……私は、今までなんて……愚かだったのか。

泣きたい。泣きたい。悔しい。悲しい。寂しい。……想像するだけで、こんなにも……心が痛くなるなんて。

本当に体験しただろう彼女と、体験したかもしれない彼。……それを必死に救おうと、した。あの子。

その全てが、全部一生懸命であって、すれ違いもあるかも知れないくて、誰も悪くないのに、悲しい現実が広がってゆくようで、この世界は、なんて無情なのだろうか。

「どうして……どうして!?」

心が痛くて、かわりに、体が言葉を弾き出す。

ごめんなさい。本当にごめんなさい。知っているつもりになって、知らない内に誰かを見下していたのかもしれない。誰かを傷つけていたのかも、しれない。

弱さを、知らない内に刃に変えて、誰かを突き刺していたのかも……しれない。

気が付かされた、私がどれだけ小さい人間だったのか!!

「強くなるなんて、なっていたと思っていただけかもしれない。救われて、救われたと思っていただけなのかも知れない。でも……怖いけど、信じたい。でも、信じられないよ」

気がついたら、体は自然に震えていた。誰かのぬくもりを求めていた。

でも、それを求めるのも……怖くてたまらない。

心が、これほどの悲鳴を上げることができるなんて、私は今まで知らなかった。知ろうともしなかった。

苦しい……寂しい。怖い……でも、人を求めることができない。

この世の中は、なんて、寂しいんだろうね。

涙が流れては、また…流れた。







→この先は、あの人には、できれば読まれたくない。いや……あまり人に読んで欲しいものじゃありません。でも……気持ちの整理のために、文章として残すことにします。









(俺たちは、なんて……馬鹿野朗なんだろう。傷をつけて、傷を負って……それからじゃないと学べない!)

背後の声が聞こえた。

私と背後は、同じで違う。でも……今は、悲しい気持ちを共有していた。

「馬鹿だって自覚していたのにね?」
(そうだな、だが、ここまでなんて、畜生がぁ!!)

「背後……」
(なんだ?)

「足掻こうよ……怖くても、人を信じられなくても」
(…………言われなくても、そのつもりだ)

「うん……」
(だって俺とアカネは……)

(「死ぬまで馬鹿なんだから……それでも、馬鹿は馬鹿として生きるしかないんだ!!」)

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白い月
今日はいつもよりも、月が大きく見えた。
部屋のベランダから呆然と見る月の美しさに、自分は一つのことを考える。

銀の糸で偶然発した一言「アルカナに自分自身を例えてみよう」

それで、自分は迷わずに「月」だと言った。
アルカナに何か知識があったわけでもない。
占って貰ったことも一回も経験がなかった。

だがしかし、アルカナの「月」が示す物は「二面性」らしい。他にも背徳などが上げられるらしいが……
自分は、その言葉に大きく衝撃を受けた。

「ねぇ?お月様。アナタはどう思う?アナタと自分は……似ているのかな?」

冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出して、またベランダで月を見る。
自分は仮面を持っている「明るい自分」という仮面を……だが、それが仮面なのかどうか……
最近は変化を感じている。

「もう。仮面にする必要は、無いのかもしれない」

「自分」も本性である「私」も、一つの「呪炎アカネ」であることには変わりない。

「決めた。仮面、少しずつ、壊してみるか…」

自分と私を融合させる挑戦を、私は決意した。美しい月の下、その日は心地良く眠りにつく。
明正捩木と呪炎アカネ


何が正しい?何が悪い?
その答えを必死に人は求め、足掻き、苦しみ、絶望する。
希望を求めて進み、誰も誰もが、なんらかの答えに到達することだろう……

明正捩木……彼の笑顔は他者に不快感を与えるほどに、歪み、同時に自愛に溢れている。

正義と呼ぶ、心を計る一つの概念を持って、彼は自分の正義を貫く。
それが世界から見て悪だったとしても、彼は正義と言うだろう……
それが他者から誹謗中傷を受ける行為であろうとも、彼は正義と断定すれば、実行するだろう。

ただ一つ言えることは、彼は人を愛しており、自己が愚かであることを理解していること…

そもそも正義という言葉に意味は無いに等しい。善悪など、皆無にして虚言である。
誰を救えば、誰かが傷つく……その問いの果てに、正解などない。

だから、彼は探すのだろう。顔に冷たい瞳と狂った笑顔を持ち。心に暖かい光と優しさを抱いて……




誰しも人は仮面を被る。
その目的こそ様々だが、学校、職場、家族、さまざまな仮面を人は使う。
誰でも他人に見せたくない一面を隠すために、嘘という言葉と共に仮面を持つ。
少女は何よりも恐怖を嫌っていた。誰かに裏切られるのなら、裏切られても傷つかないように予防線を引く。
世界は嘘と仮面で溢れている。綺麗な言葉など仮面から漏れるただの吐息に過ぎない。

吐息がいかに自分を惑わし、心地よかったとしても、それに甘んじてはならない。
その感覚は刃となって、仮面を貫き、自身に傷をつけることを……少女は知っている。

呪炎アカネは、己を「私」と呼ぶことを封印した。騙されても動じない「自分」という仮面を手に入れたから。

明るい「自分」を身につけることで、世界に恐怖する「私」を守る。

閉じこもっている心に比例して、矛盾して世界に干渉する「自分」の仮面。
次第にアカネは己が「自分」なのか「私」なのか、判別に苦しむことになる……また彼女は恐怖を覚える。

愛を叫ぶ笑い男。求めという獣を宿した少女。純粋に応援してくれる友人。
彼女を守ると言った少女。彼女を許容すると言った麗男。

それらとの干渉で、彼女は何かを得た。
彼等との交流で、彼女は一つの結論に至る。

「誰かを求めることを、忘れてはならない。誰かに与えることを忘れてはならない。誰かに期待し、裏切られることを恐怖するよりも、逆に……期待が叶うことを願って楽しむこと」

自分は皆大好きですねん!!
私は皆が怖い、でも信じたい……

彼女は、それでも仮面と向き合う。それは……彼女の戦いなのだろう。

せんべいと奈留の部屋…その一
青い空。

澄み切った蒼海の空を眺めながら、呪炎アカネは大きなビニール袋を下げ、簡素な住宅地の中を軽い足取りで歩く。

何度も通いなれたと実感できるようになった、その道を歩くたびに、彼女は……とある一人の少女のことを思い出してしまう。
普段、暑さが引かない昼間にアカネが率先した行動を取ることは珍しい。基本的に外出を好む彼女であったとしても、真夏に近づいた強い太陽の光には自然と嫌悪感を抱いてしまうのだ。

「あづい……あづいですねん」
 
太陽の光が嫌いなわけではない。むしろ彼女は好きだと答えるだろう。
しかし、この季節だけは、その好き嫌いの方向性も変わってくる。

「ギラギラしやがって……お日様!少しは手加減しろ~!」
 
そんな悪態をついても、無論……お日様もアカネを哀れに思って沈むことは無い。
そのような思いをしてでも、学校休みの昼間に、彼女が外を動いているのには目的がある。

一人の友達の家にお呼ばれされたからだ。

それも、最近彼女を支えてくれた大親友からのお誘い。
 
「奈留……待ってて下さいですねん!」

簡素にこの情景を描くならば、呪炎アカネという少女は、瀬川奈留という同級生の家へと遊びに向かう途中だった。



ボロボロのアパート。

瀬川奈留の住居を説明するのに、これ以上の適切な言葉はない。
錆びて交換時期が明らかなドアノブを捻り、アカネは畳の部屋へと足を進める。

合鍵は前に奈留からあずかっていたアカネではあったが、こうして部屋にお邪魔するのに実際、その合鍵は使用しなかった。
 
「奈留。戸締りくらいはしないと駄目でしょうが……一人暮らしの自覚ゼロですねん」

アカネは呆れた様子で部屋にあるテーブルにビニール袋を乗せると、そのまま床に腰を下ろす。

こんな狭い部屋では探しようも無い。
奈留は一体どこに出かけたのだろう?

前もってアカネが来ることを知っていた彼女だ。てっきり部屋で待っているものだとばかり思っていたが、部屋についてみるとご覧のとおり。

誰も居ない、静かでどこか寂しい空間が広がっていた。

奈留は前に部屋で猫を飼っていることもアカネに話していたが、その飼い猫の姿もなく。
ただただ、外を車が通る音だけが、流れては消えている。
何もすることも無く、お茶を淹れて、しばし彼女の帰りを待つことにした。

急須から湯のみにお茶を注ぐと、自然とアカネの心も静かに落ち着く。

「アカネ?もう来てる?」 そうして一息。そうする頃には奈留も帰宅し……二人の和やかな時間が始まった。
信じられない事態が起きた。

とても、自分としては…大事件が起きた。

単純に言うと、彼氏ができた。うん、ここまでは普通の、めでたい話なのだが…
問題は、その相手が大嫌いな羅刹さんだということ。
それ以上に大好きでもあるが、ここは素直に毎回なれない自分がいる。
最初は怖くて、真っ直ぐに自分を貫く彼が眩しくて、同時に怖かったし、何より彼が「特別な人に向ける愛」を持っていないことに気がついていた。
たとえ告白しても、自分は一生彼の特別にはなれない。そんなことは理解できていた。
だけど、彼は言った。

雄の蜘蛛は、自分の子供を産んでくれる雌の蜘蛛に、その身を捧げると……

それは彼には当てはまらない。この言葉も、意味はない。
だけど、その言葉を聞いた瞬間。一気に自分の中で考え方が、音を出して変わった。

自分は、彼にとっての一番になりたい。だけど、それ以上に、自分自身が羅刹さんを一番にしたいのだと……

彼が多くの人に愛を与える存在ならば、逆に自分はそれ以上の愛を羅刹さんに与えてあげたい。
相手の気持ちを考えない自分よがりな考え、それでいて、羅刹さんと同じ、他者に愛を与える考え。
でも、それでも良いと思えるようになった。
他人を気にしてばかりだった自分が、相手を考えずに愛を与える存在になりたいなんて、自分で自分が疑わしくなる。
でも、とても気分がスッキリしていて、なんて心地良いんだろう。

大嫌いで、大好きな彼を思うと、自分の存在が小さく見えてしまう。

少しでも、自分は成長できたのかな?羅刹さんに、居て欲しいと想われる存在になるのは、無理かもしれない。
でも……それでも、自分が彼のことを好きなのは、変わらないのだ。

どうすれば良いんだろう?…………いや、今までと同じで良いか。
だって、羅刹さんは、そういう人なんだから(ニコリ)
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プロフィール

HN:
呪炎
性別:
非公開
趣味:
世界鑑賞と小説書き
自己紹介:
Sであり同時にMでもある。
属性としては「SM」でも極端にアレなのは勘弁だね。
ソフトが一番でしょう?え?どうでも良いの?
あっ…そう?(///)

人の心とはとても美しく醜いと日頃から考え、他人の意見を吸収しながら、常に流されないように努力しているつもり。

自分のキャラである「アカネと捩木」を苛めるのも大好き。
苛められるのも好き。

だが、他の皆から構ってもらうことは、何よりも幸福を感じるウサギのような人間。

月がとても好きだ。
マイ箸はいつもウサギプリントの物を使うピンポイントなポリシーを持つ変態紳士。

紳士ならば、全力で女性を愛し尊重せよ!!美しき男達を尊重し、彼らの美しさを称えよ!

ここまで書いて思った。俺は最低人間であると!!
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